2004年04月04日

十割そば?

 ここ十年のことだろうと思う。
「十割そば」という表示なり看板を見かける様になった。

 最初、意味が分からなかった。
多分、挽きぐるみ(全粒粉)を使った蕎麦かなぁ、と漠然と考えていた。
ある時、四代目の蕎麦屋さんに聞いてみた。
「実は俺も知らないんだ。」
蕎麦屋の三代目(私)も四代目も知らない言葉であった。

 そもそも蕎麦屋の用語は出典不明なものが多い。
さも伝統がありそうに装っているものの、現代の造語が多い。
「十割そば」とは要するに100%そば粉だけで打った蕎麦らしい。
多分、どっかの経営コンサルタントが考え出し、広まったものではないのだろうか。既存の蕎麦屋との違いを出すためには、ある程度意表をついたキャッチコピーが必要だったのだろう。

 さて、旧農林規格(JAS)では、蕎麦と表示していいのは20%以上の蕎麦粉を含むものである。蕎麦の商いを営む者がどんな蕎麦をつくろうと、それはその基準さえクリアしていれば良いのであって、それぞれ己の信ずるところに進めばよい。

 然しながら、ちとカチンとくるコピーが付属していることが多い。
「繋ぎなど一切使わない本物(本当)の蕎麦」
最初に断っておくが、小麦粉を繋ぎに使うのは、そうしないと繋がらないためではない。その方が美味しいと思うからで、何割の繋ぎを使うかはその蕎麦屋の考えしだいである。

 二八蕎麦とよく言われる。
一般的には繋ぎが二で蕎麦粉が八とか、また価格が16文であったため二八16からきたとの説がある。さらには逆二八という説さえある。実際小麦粉の割合の高いほど上等とされた時代もあったのである。赤穂浪士の討ち入りから50年後、当時の流行の蕎麦屋の記録がある。小麦粉4升に蕎麦粉1升の割りとある。(これぞ逆二八である)
では、本当の蕎麦とは何なのだ?
そんなものは無いのである。原点はある。原始の蕎麦と言うべきや。

 繋ぎ無しと繋ぎ有りの技術的な困難度は、
「有り」が一次関数なら「無し」が二次関数程度かな?

posted by 山口屋散人 at 01:37| 福島 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 麺類学 | 更新情報をチェックする
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